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The Innerview 06 : Demy Lee (DEMYLEE)

The Innerview 06 : Demy Lee (DEMYLEE)

Ron Herman Journal

Issue 55Posted on Oct 31.2022

トラディショナルでシンプルなデザインながら、どこかモダンなエッセンスを感じさせるニットウェア。やさしく上質な肌触りと懐かしい温もり。時が経っても色あせることがなく、いつもクローゼットにある定番の一枚。それがデミー・リーさんがニューヨークから発信するニットブランド「DEMYLEE」(デミリー)の魅力です。今シーズン、ロンハーマン メンズとの初めてのコラボレーションを実現。デミーさんのニットデザイナーとしての思い、そしてニューヨークでのライフスタイルについて聞きしまた。

ニューヨーク、チェルシーにあるデミー・リーさんのオフィス。クリエイティブ・マインドに満ちた空間

 

—DEMYLEE のコンセプトを教えていただけますか。

「DEMYLEE」は、シンプルでラグジュアリー、そして、いろんなシチュエーションで着られる服。そんな一着を好む人たちに向けたブランドです。時代を超えた洗練さと若々しさのバランスを保ち、クラシックでありながら現代的なニットウェアで、ファッション業界を開拓していきたいと考えています。

 

—なぜニットにフィーチャーしたのでしょうか。ニットの魅力とは。

ちょうど毎日手を取ってみたくなるタイムレスなアイテムをつくりたかったのです、それがセーターでした。セーターは何かとてもノスタルジック……。子どものころや両親を思い出させてくれます。そう、温かくて心地のいい思い出を。

 

—デミーさんはニット以外も手がけていますが、使用する素材にこだわりがあるように感じます。

私はいつもナチュラルなものを好みます。例えば別ラインのC&Sコレクションでは、高級コットンとして知られるピマコットンでも最上質なものとオーガニックコットンを使っています。クラシックな織物のシャツやドレスは、ほとんどはコットン100%。 私は自然が与えてくれるものに感謝しているんです。肌触りがもっともナチュラルですから。

15歳で家族とともに韓国からニューヨークに移り住んだデミーさん。エネルギッシュで刺激に満ちた大都会の日常がインスピレーションとなり、デザイナーとしての才能を開花させた

 

—オーガニックという言葉が出ましたが、デザイナーとして環境問題についてどのようにお考えですか。

ファッション産業が、毎年過剰に生産して多くの在庫を抱えていることを知って、デザイナーの自分そしてチーム全員が責任を感じています。サステナビリティは、今の私たちと未来の世代のためにやりとげなければなりません。私たちは使用する素材や製造方法について、より慎重に考えるようになりました。できるだけクリーンなデザインプロセスを模索しているのです。これは社会全体が直面している問題であり、日々の生活の中での努力が必要だと感じています。

 

—デミーさんが服づくりをする上でもっとも大切にしていることは。また、創作のインスピレーションはどうやって得ているのでしょうか。

私が服をつくるとき、デザイナーとして考えなければならない要素がいくつかあります。 私のビジョン、一緒に働く人々とのパートナーシップ、そして、もっとも重要なのは着る人です。インスピレーションは、日々の生活の中にあります。 家族、友人、旅、映画、本、ニュース、出会った人々……。必ずしも目に見えるものではないこともありますね。 例えば、他者への好奇心とオープンマインドを持てば、私たちの生活に必要なエッセンスであるインスピレーションは必ず見つかります。 自分が感動することと共に、そして人に感動を与えることも大切にしています。

ご主人が日本人ということもあって数多く来日。「日本は私がもっとも好きな場所の一つです。クラシックとモダンのバランスがとてもよく、時代を超越しているように感じますね。 いつもインスピレーションをもらいます」

 

—2021年、新しく「DEMY BY DEMYLEE」をスタートさせました。「DEMYLEE」との違いを教えてください。

一見、若い人向けのように見えますが、時代を超えた洗練されたデザインで、より幅広い層のお客様にお求めいただけます。素材やスタイルにこだわりながらも、「DEMYLEE」に込められたエネルギーやスピリットをより自由に表現しているんです。「DEMY BY DEMYLEE」でまた違う世界観を生み出すことができてうれしいですね。

 

—ロンハーマンでは、2022年の秋冬も「DEMYLEE」を扱わせていただきますが、今シーズンのコンセプトは。ロンハーマン メンズとは初のコボレーションになりますね。

秋冬のコンセプトは、クラシックなメンズウェアのシェイプとディテールにリスペクトしながら再構築することでした。「DEMYLEE」のキーとなるスタイルは、常にメンズウェアのデザインからインスパイアされています。ですので、今シーズン、ロンハーマン メンズとコラボレーションすることは、とても自然でスムーズな流れでした。すべての男性のクローゼットにこのニットがあって楽しんでいただけたら、うれしいですね。クラシックでタイムレスなお気に入りの一枚になれば。

「DEMYLEE」(デミリー)と、ロンハーマン メンズと初のコラボレーションのコンセプトは、NEWYORK をイメージさせる「City Life、Wardrobe / Urban」。都会的で時代を超越したデザインはタイムレスな一枚
 
—デザイナーとして一番大切にしていることは何でしょうか。

一つだけ挙げるのは難しいですが、あえて選ぶとすれば、“クリエイティブ・マインド”でしょう。 私はアーティストやデザイナーが社会と共有してきたクリエイティブな思考やマインドを大切にし、尊敬しています。私たちを進化させてくれるものですから。
 
—デミーさん自身について教えてください。デザイナーを志したきっかけは。

うーん、何から話したらいいのでしょう(笑)。私は4人姉妹の末っ子として育ったので、姉たちにはずっと大きな影響を受けてきましたが、私がファッションに目覚めたのは、おそらく両親の影響でしょう。二人ともファッションに対して特別な思いを持っていました。私が15歳のとき、家族でニューヨークに引っ越してきました。10代からエネルギッシュな街を体験できたことは、とてもラッキーだったと思っています。私はいつもアートに対して特別な思いがありましたが、ニューヨークは私の目と思考を開かせ、デザイナーへの道をチョイスさせたのです。好きなことを仕事にすることは、忙しい現代社会では贅沢なことですが、最近学んだことがあります。 昨年、母を亡くしたことで、今の自分の生き方に目覚めました。今を生きること、今日に感謝することを学び始めたのです。 今、好きなことをする、それが大事だということを。
 
—なるほど。ライフスタイルも変わってきたそうですね。
最近はとてもシンプルなライフスタイルを送っています。 シンプルなことを以前にも増して楽しんでいるんです。 海がお気に入りの場所です。 今は少し寒くなってきましたが、天気がよければビーチで本を読みながら過ごしたいですね。また 最近、ランニングを始めました。 まだビギナーですがだんだんのめり込んでいます。もちろん、チェルシーのオフィスに戻ると、とても忙しいスケジュールが待っています。ですが、バランスの取れた生活を送ることはとても大切だし、それが私たちを支えてくれていると思います。
 

デミーさんもお気に入りのレディースラインの「Grandpa CD」をイージーフィットなメンズのカーディガンに。内モンゴル産の世界最高級のカシミアならではの上質な肌触りながら、ゆったりとしたテンションで編まれているのでカジュアルに羽織れる
 
 
—ロンハーマンのお客様へメッセージをいただけますか。

私が知る限り、ロンハーマンはもっとも素晴らしい店だと思います。本当にありとあらゆるものがそろっていますが、なぜか圧倒されることはありません。いろんなブランドがミックスされているので、お客様が自分自身をイメージしやすく親しみやすいのでしょうね。ロンハーマンのお客様は「DEMYLEE」をとても気に入っていただいていると思います。いつも気にかけてくださり、ありがとうございます。今日もお客様の一日を少しでも幸せに明るくすることができれば幸いです。
 
 
—最後の質問です。デミーさんにとって“服”とは?

"服 "は、私自身と私の旅の一部。着るにしても、クローゼットにしまっておくにしても、それぞれのアイテムにはそこに存在する理由があり、それぞれの物語があるのです。つまり、すべてが私の思い出なのです。
 
—デミーさん、ありがとうございました。

「今回の取り組みにはとても満足しています。ロンハーマンのストアにコラボレーションしたアイテムが並ぶことは、すごくハッピーです」と、デミーさん

 

Profile
デミー・リー Demy Lee
ファッションデザイナー。15歳で家族とともに韓国からニューヨークへ移住。世界でも屈指のファッション・アート専門の美術大学、パーソンズ・スクール・オブ・デザインを卒業後、メンズのハイブランドでニットデザイナーとして活躍。2007年、独立して自身の名前を冠した「DEMYLEE」を創立

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