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CAROLINA SANTO DOMINGO

CAROLINA SANTO DOMINGO

Ron Herman Journal

Issue 124Posted on Jul 01.2026

洗練されたアーバンな雰囲気ながら、オーガニックなぬくもりも感じさせる佇まい。「CAROLINA SANTO DOMINGO」(カロリーナ サント ドミンゴ)のバッグには、この相反する魅力が融合しています。ひと目で伝わってくる、計算し尽くされた造形美、上質なマテリアルと熟練のクラフトマンシップ。ブランドが誕生してからわずか10年足らずですが、海外のセレブリティにも愛される注目のバッグブランドの一つになっています。初来日したデザイナーのカロリーナ・サント・ドミンゴさんにインタビューできることに。スペシャルな魅力を生み出す秘密に迫ってみました。

自身の名前を冠したバッグブランド「CAROLINA SANTO DOMINGO」(カロリーナ サント ドミンゴ)のデザイナー、カロリーナさん。ベストセラー「Knotty Tote」を手にブランドコンセプトの説明に熱が入る。カロリーナさんの叔母は世界的な会員制ハイブランドECサイト「Moda Operandi」(モーダ・オペランディ)の創業者の一人、ローレン・サント・ドミンゴさん。少なからぬ影響を受けたそう

——ロンハーマンとは、2017年にブランドが誕生して以来のお付き合いですね。改めてコンセプトを教えていただけますか。

自然なマテリアルを使い、ハンドメイドにこだわることで、繊細につくり込んでいます。最初は天然素材のヤシや木、コルクを使っていました。今人気のレザーもイタリアで手づくりされていて、大量生産ではありません。ミラノを製作の拠点にしていますが、品質もよく信頼できる工房を見つけたからです。イタリアはバッグづくりに最も向いている土地です。長年の伝統に培われて、職人たちにはバッグづくりの知識が詰まっていますから。ブランドを立ち上げたとき、他のブランドが使用しているような大がかりな機械を導入することは避けました。お客様の手が届きやすい価格で高品質なバッグを提供したかったからです。結果、手づくりにこだわり続けることで、他では決して扱ってこなかった新しい素材に挑戦することもできました。例えばレザーを用いた編み物のバッグです。ブランドのシグネチャーアイテムである「Knotty Tote」は、インド北部の職人たちが世代を超えて受け継いできたクラフトマンシップの結晶といっていいでしょう。一つのバッグを手編みするのに72時間もかかるんですよ。

2017年の創業以来、日本ではロンハーマンがエクスクルーシブで展開している。「ロサンゼルス出身の私にとってロンハーマンは思い入れのある存在です」とカロリーナさん

——カロリーナさんのデザインはとても多彩ですが、ご自身の多様なルーツが関係しているのでしょうか。

私はロサンゼルスで生まれ育ちましたが、父親がフランス系コロンビア人です。コロンビアに住んだことは一度もありませんが、今でも家族と一緒によく行きますよ。ターコイズブルーの海が広がるカリブ海沿いの美しい町で、マングローブの森など多くの自然が残されています。コロンビアから多くのインスピレーションを得ています。地元の職人は自然の繊維や素材を使っていて、素晴らしい織物や装飾品をつくっています。まさに熟練のクラフトマンシップです。その職人技にほれ込んで、訪れていると言っても過言ではありません。コロンビアの人々は地元の工芸品を誇りに思い、そのよさをわかっています。ですから、私もかぎ針編みや天然石を使ってバッグをつくりました。また、母方の祖母がイタリア人で、家ではフランス語とスペイン語も話していましたので、4か国語を理解できます。祖母がパリにも住んでいたので、ヨーロッパの文化や習慣に抵抗もありませんでした。むしろ、ラグジュアリーなヨーロッパの暮らしや文化を知ったことは、私のクリエイションに大きく影響していると思います。

丸みを帯びたシルエットが愛くるしい「The Sirena Basket Tote Bag」もブランドアイコンの一つ。カジュアルなデニムスタイルから、フォーマルできれいめなコーディネートまで、シームレスにワードローブへフィットする。7月8日(水)よりオンラインストア限定で展開予定。

——カロリーナさんのデザインには、そうした背景が深く関係しているのでしょうね。ところで、バッグデザイナーを目指したきっかけは。

私の初めての仕事は、ニューヨークにあるライダーズジャケットで有名なアパレルブランドのCEOのアシスタントでした。当時、社内で高級アクセサリー部門をつくるビッグプロジェクトが立ち上がりました。上司の言うことを一から十まで聞いて目が回るような忙しさで、まるで映画のワンシーンのようでした。ある夏、デザイナーのお供でミラノのファッションショーに行く機会に恵まれました。イタリア語を話すことができたので重宝されて、アクセサリー製作部門の扉を開けることができました。ですが、プロジェクトは中止になり、社員は解雇。仕方がないので、ミラノへ渡って、ものづくりを学びました。実はすごく靴をつくりたかったのです。しばらく経験を積んで、ロサンゼルスに戻り靴のデザイナー職を探しました。そして、友人が立ち上げたブランドのために、バッグと靴をつくったのです。すると、そのバッグが大人気に。それで私もブランドをスタートさせたというわけです。本当は靴をつくりたかったのですが(笑)。まあそれもよし。でも、またいつかチャレンジしたいですね。

ロンハーマン限定のブラウンの「The Cleo Bag」(右)は7月11日(土)よりお目見え。スムーズでマットな仕上がりのペブルマットレザーが上質なラグジュアリー感を醸し出す。「今回のコレクションの中では最も洗練されたアイテム。ファッショナブルでドレッシー、そして上品だと思います」。ブラック(中央)とイエロー(左)は、7月8日(水)より、オンラインストア限定で展開

——現在、ロサンゼルスとパリの2拠点で活動をしていますね。

今はパリで暮らしています。ロサンゼルスでの生活は快適そのものですが、イタリアの工場には遠すぎます。ミラノと年中行き来しなければならないので、パリをベースにした方が便利なんです。フランスは私のクリエイションに大きく影響しています。良質なものとそうでないものを見分ける力がつきました。とてもおもしろいのですが、住む街によってデザインのアイデアが変わるんですよ。きっと、その街に影響を受けているのでしょうね。パリにいるときは、都会的なムードを感じさせるレザーバッグのアイデアが浮かび、ロサンゼルスにいると海のイメージからか、もっとナチュラルなタイプの編み込みのバッグのアイデアが浮かびます。

——それは興味深い話ですね。普段、デザインのインスピレーションはどのように得ているのでしょうか。

本当にさまざまなものから得ています。先ほども言ったように、コロンビアでは自然の美しさや熟練のクラフトマンシップ。他にも街でのちょっとした出合いなどからも。以前、ロサンゼルスの抹茶カフェで見かけた女性が、完璧な形のかわいいカゴを持っていたんです。お願いして、写真に撮らせてもらいました。そのインスピレーションからでき上がったのが、「The Sirena Basket Tote Bag」です。「The Travel Bag」はヴィンテージトランクから発想を得ました。バッグにマチを持たせ長いストラップを付けました。

 「The Cleo Bag」はショルダー、クロスボディ、そしてストラップを外せばハンドポシェットとしても楽しめてパーティにも最適。まるで三つのバッグを持っているようにさまざまなシーンで活用できます。サイズは2種類ありますが、大きい方(上・写真)はタブレット端末も収納できるのでオンタイムにも活躍します」

——カロリーナさんは、落ち着いていて実直な方だと感じます。その人柄のようにバッグのデザインも、決して気をてらっていません。

私はブランドのロゴをあらゆるところに目立つように付けることは避けています。ブランド名は隠れたところに小さく入れているだけです。ブランドロゴを宣伝に使うというようなことはしていません。だから、CAROLINA SANTO DOMINGOのバッグをお持ちだとしても、「いったいどこのブランドのバッグかしら」と思うでしょう。ですが、日本のお客様は目が肥えていて、審美眼があります。アメリカの多くのお客様とはまったく違う見方をされていますね。

——最後にロンハーマンのお客様にメッセージをお願いします。

私にとってロンハーマンはとっても大切な存在です。毎週末ロサンゼルスにあったロンハーマンに通っていたほどです。ロンハーマンには、いろいろな素晴らしいデザインがミックスされています。アバンギャルドなデザイナーによる服やクールなTシャツ、ジーンズなど。他にはない刺激的なものもたくさんあります。ですから、私のデザインしたバッグが、ロンハーマンで扱ってもらっていることは本当にうれしいです。お客様に、心からありがとうと伝えたいです。

——どうも、ありがとうございました。

「私の日本のお客様に対するイメージは、知的で洗練されている、というものです。世界の中でも有数のお客様だと思います」

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