2005年ロサンゼルスで誕生したファインジュエリーブランド「HOORSENBUHS」(ホーセンブース)。ラグジュアリーで上質ながらも、自由で遊び心にあふれたデザインが、多くのアーティストやミュージシャンなどのクリエイターから支持を集めてきました。日本でもロンハーマンが取り扱いを始めてから、コアなファンの人気を獲得。この春、満を持して表参道ヒルズに旗艦店が誕生。グランドオープンを記念して来日した創業者でクリエイティブチーフのRobert G. Keith(ロバート・キース)さんに話を聞きました。
表参道ヒルズ店に誕生したHOORSENBUHS(ホーセンブース)の旗艦店。唯一無二の世界観が凝縮されている
——今回オープンした旗艦店をご覧になって、どのような感想をお持ちですか。
本当に驚いて感動しているよ。とても素敵だと思ったのは、ヴェニスビーチのフラッグシップショップとの統一感。日本のチームは自分が考えている細かいディテールまで理解してくれていて、正確に美しく表現してくれている。自分がこういう風にしてほしいと指示したわけではないのにね。みんなHOORSENBUHSの歴史をリスペクトして、どれが大切かをよくわかっていてくれる。とてもスペシャルなことだね。
——表参道はハイブランドのストアが多く集まるエリアです。HOORSENBUHSが他ブランドとは違う魅力はなんでしょうか。
HOORSENBUHSは、表参道にある他のどのストアよりも美しく、面白さであふれていると思う。あたたかみとホスピタリティがある。この空間のすべてが、自分が最初にデザインしてつくったリングから生まれたものだと実感できる。自分でも信じられないけれど、ここまで広がって大きく成長してくれたんだと、感動せずにはいられない。ここにはたくさんの実験的なものがある。アイデアが満載で、まだまだ成長過程だね。みんな夢中になると思うよ。

クリエイティブチーフのRobert G. Keith(ロバート・キース)さん。「日本に上陸して15年経つけど、本当に時の流れは早いね。こんなストアを実現できたのは夢のようだ」
ロバートさん愛用のネックレスをはじめ、国内では表参道店でのみ展開するエクスクルーシブなアイテムがお目見え
——HOORSENBUHSが、多くのファンに支持される理由はなんでしょうか。
おそらくシンプルで統一されている建築的な魅力からじゃないかな。素材はシルバーだけでなく、ダイヤモンドなどと組み合わせたりしているし、サイズもさまざま。だけど、HOORSENBUHSのジュエリーは他のどんなブランドやデザインのアイテムと組み合わせても、それらを邪魔せずにしっくりとなじむ。主張しすぎないけれど、さりげない強さがあるからだと思う。
——HOORSENBUHSのジュエリーは、長く受け継がれていく魅力があります。その価値をどう考えていますか。
代々受け継がれ、さらに美しさと価値を増すことこそ、HOORSENBUHSが意図するところ。流行に左右されることなく、長く大切に身に付けてもらうことこそ自分の喜びだ。自分たちが第一世代だけど、次の世代でどんな広がりをみせてくれるのかは、誰にもわからない。

「小さめな枠の独特な造りの窓やエントランスの観葉植物など細かいところまで、ロサンゼルスの店のコンセプトを継承してくれている。日本のチームには本当に感謝したい」
ストアを飾るアートピースは、ロバートさんお気に入りのアーティストが手がけたもの。ちなみにドレッサーにある黒いスツールは、ニューヨークの山中で見つけた丸太を自ら加工してつくった思い入れのある一脚
——最近、自身のクリエイティブに一番刺激を与えているものは。
近ごろ、自分をアゲてくれるのはピンポン(笑)。大好きでよくプレイしていて、自分にとっては瞑想みたいなもの。それと音楽もインスピレーションを与えてくれるね。いつもEDM(Electronic Dance Music)を聴いているよ。あっ、昨日、街でトヨタのセンチュリーを見たんだけど最高だね。絶対にあのクルマに何かデザインしたいと思った。つまり、インスピレーションというのは、ホテルの前に立って、そこを通る人やクルマを見ているときにもやってくるんだ。いつかセンチュリーを手に入れて、ホーセンブースセンチュリーに改造するんだ。
——久しぶりの来日ですが、日本はどんな場所でしょうか。他の世界の国々との違いと共通点を教えてください。
自分たちはどんどん地球規模で成長していると思う。どの国の出身であるとか、そんなことは関係なく、「一つ」なんだと強く信じている。ここ日本ではみんなが良いスピリットを持ち、そのエネルギーを感じている。太陽の下では、みんな一つなんだ。すべての人々に真剣に考えてほしい、愛とはいったい何を意味しているのかを。愛から生まれて、愛を生きて、それが社会であり、共同体なんだと思う。そんな世界に自分は身を置いていきたい。日本に来て、自分自身が信じていることはすべて真実だと気づいた。少なくともここでは、人が憎しみ合うようなおろかなことはしていない。そう思うだろ。
ブランドで初めて手がけたリングを見つめるロバートさん。「すべてはここから始まった」と感慨深げだった
——HOORSENBUHSが日本に上陸して15年経ちますが、その存在はどのように変化していると思いますか。
自分自身の経験をみんなと共有したいといつも考えている。それがどんな風に日本のみんなの中に入り込んでくれているのか、ちょっとわからないけど、多分、多くの方にこの想いをわかってもらっていると信じている。いつも一日の終わりに、こんなことを考えているんだ。「オレはアーティストのフリをしているただの一人の男。ブランドのオーナーのフリをしているただの男」。人が自分をどうとらえるかなんて、コントロールすることはできない。ただ、もうすでに日本のみんなは気づいているはずだよ。HOORSENBUHSの作品はクラシックみたいなものであり「買いました。身に付けました。もういりません」ではない。流行に左右されない、長く愛される存在であることを。
——HOORSENBUHSは、今後どのように進化していくのでしょうか。
みんなが一日の終わりにHOORSENBUHSのことを少しでも気にかけてくれれば、それで十分だ。多くのブランドが、大きな成長を望み、巨大な組織を生み出すことに心血を注いでいるようだけど、自分は世界的に大きく飛躍していくことなどには興味がない。ブランドをもっと大きくしようと戦略を練り、一旦は成功したとしても、それが簡単に崩れてしまうことはよくわかっている。一つのストアを出店し、そこに置かれている作品が愛されて根付いたら、また違う地域に新しいストアを出そうか、となる。とにかく長く続けていきたいね。

HOORSENBUHSの本国チームも一緒に来日した。「みんな、一番大切で信用している仲間なんだ」とロバートさん。ユニークな個性が結集して、HOORSENBUHSの魅力が高まっていく
——HOORSENBUHSは、ロバートさんにとってどのような存在なのでしょうか。
夢がカタチになる場所。始めは雲をつかむようなことだったかもしれないけど、夢が現実になっている。「今のオレは現実だよな。あれ、でもこれは本当に現実なのかな」と、自分でもわからなくなることがある。なんだか、まだ夢の中にいるように感じるときもあるよ。
——最後に日本のHOORSENBUHSのファンにメッセージをお願いします。
みんなのサポートに心から感謝している。同じコミュニティの中でつながっていて、エネルギーをともに分かち合えることにもね。日本ではアメリカよりも強くリスペクトを感じている。本当にありがとう。