ジュエリーのように華やかに輝くマニキュアたち。上品なピンク、艶やかなレッドチェリー、ラグジュアリーなゴールド、クールなライトブルー、鮮やかなミモザ……。豊かな彩りに目を奪われてしまう数々のネイルポリッシュですが、ある秘密が……。何と主成分はジャガイモやキャッサバ、トウモロコシ、ココナッツオイルなど野菜や植物。天然成分由来のナチュラルコスメは今や珍しくありませんが、「ネイルでヴィーガン!?」と驚かれる方は多いでしょう。
「manucurist」( マニキュリスト) の創業者ガエル・ルブラ・ペルソナージュさん。母親がパリで営んでいたネイルサロンの名前を引き継ぎ、ファッションからネイルの世界へ転身した
ヴィーガンネイルの先駆けであるフランス発のネイルブランド「manucurist」( マニキュリスト) は、2016 年、ガエル・ルブラ・ペルソナージュさんによってスタートしました。「世界中の人々に安全でクリーンなマニキュアを届けて、ハッピーにしたかったのです。そのためには、爪や肌にダメージを与えること、環境に負荷をかけることは仕方ないというネイル業界のルールを壊す必要があったのです」と、ガエルさんは創業時のビジョンを語ります。
「manucurist」のネイルポリッシュ「green」シリーズは、最大84 パーセントが植物性由来の成分でつくられている。動物性製品や原料を一切使用せずヴィーガン協会からヴィーガン認定を受ける他、動物実験を行わないクルエルティフリーでもある
ガエルさんにとってマニキュアは「人生」そのもの。ガエルさんの母親はパリで初となるネイルサロンを営んでいました。幼いころからネイルの世界に接していたガエルさんは、常連客たちが従来のマニキュアに対する不満を口にすることを耳にしてきました。そして、ファミリービジネスの名を引き継いで新たに「manucurist」ブランドをスタートする際に、ネイルの世界に革新を起こそうと思ったのです。それがヴィーガンネイルでした。
コンセプトは明快でシンプルでしたが、実現には大きな壁と長い時間が必要でした。「マーケットにはそのようなネイルは存在していませんでしたから、ゼロからつくらなければなりませんでした。ある研究所に『ナチュラルなマニキュアをつくりたいんです』と相談しました。ですが『とんでもない。それは不可能ですよ」と断られてしまいました。結局、依頼を受けてくれたのですが、開発に何年もかかってしまいました。ネイルのプロにも受け入れられてもらうために、一切妥協をすることなく何度も試行錯誤をしました」。
「ネイルは感情の表現」と語るガエルさん。「その日のムードに合わせてカラーをチョイスして」
「green」シリーズ以外にも、太陽光で硬化する速乾性のあるトップコートやアセトンフリーの植物性由来100 パーセントのネイルリムーバーなども「manucurist」の人気アイテム。ハンドクリームやバームなどのケア用品もすべて植物由来で有害成分不使用
パリジェンヌらしいエスプリが効いた話をするガエルさん。言葉の節々からマニキュアへ対する深い愛情が感じられる