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Spinelli Kilcollin

Spinelli Kilcollin

Ron Herman Journal

Issue 57Posted on Dec 01.2022

2009年、二人のデザイナー、ドワイヤー・キルコリンさんとイヴ・スピネリさんの“愛”から生まれた「Spinelli Kilcollin」(スピネリキルコリン)。二人のファーストネームを冠したジュエリー・ブランドは、ロサンゼルスの小さなガレージからスタートして、今では日本を始め世界にもファンが。その人気の源は、代名詞ともいえるリンクド・リング。スタイリングの自由さから、多くのクリエイターやセレブに愛されています。まもなくロンハーマンではイヴさんを招いてトランクショーを開催。来日に先駆けて、話をうかがいました。



今シーズン「Spinelli Kilcollin」(スピネリキルコリン)より「Core star sign collection」が新しくラインナップ。ドワイヤー・キルコリンさんとイヴ・スピネリさんが12星座をイメージして、オリジナルデザインに


——まず「Spinelli Kilcollin」のコンセプトについてお聞かせください。


ドワイヤー:私たちのコンセプトは、とてもシンプルなんです。スターリングシルバーとオリジナルのイエローとローズの色味を持つ18Kゴールドの合金などの素材をミックスして、そこに輝きの深みがあるダイヤモンドをプラスすることで、無限にアレンジ可能なリンクド・リングを生み出しています。ですから、身につける方それぞれの美意識やストーリーに合わせてデザインを選びリングをつくることができます。「Spinelli Kilcollin」のジュエリーはすべて、コンセプトは私たち自身によるものですが、そこから生まれるストーリーは、そのリングを身につける一人一人のものなのです。



「Spinelli Kilcollin」といえばリンクド・リング。その時のスタイリングや気分によってアレンジして自由に楽しむことができる


——なるほど。「Spinelli Kilcollin」が生まれたいきさつを教えていただけますか。


ドワイヤー:私とイヴが出会って恋に落ちて、すぐに「Spinelli Kilcollin」をスタートさせました。当時、イヴはビバリーヒルズの高級ブティックで働いていて、私は彫刻家として活動していました。イヴは自作のリングを身につけていて、同じものを私のためにつくってプレゼントしてくれたんです。それがブランドの原点ですね。そのリングをペアで身につけていましたが、「どこで買えるの」と毎週のように誰かに聞かれて。そこで、イーストロサンゼルスにある自分たちの自宅のガレージで、ブランドを立ち上げたんですよ。


——そのリングが「Spinelli Kilcollin」の原点であるリンクド・リングですね。デザインのアイデアはどのようにして思いついたのでしょうか。


イヴ:ブティックで働いていたときに、店内で大きなリングが流行っているのに気づいたんだ。僕も気に入っていたんだけど、もっとシンプルでミニマルなものがほしいなと思っていたんだよ。そこでアイデアをスケッチして、父のアントワーヌに見せたんだ。彼は貴金属の加工など、さまざまな技術を身につけているからね。そして、初めてつくられたのが星座シリーズの「アクエリアス」なんだよ。



「Spinelli Kilcollin」の生みの親、ドワイヤーさん(左)とイヴさん。12月2日(金)・12月3日(土)二子玉川店、12月4日(日)・12月5日(月)千駄ヶ谷店ともに14:00ー17:00から、イヴさんが訪れてトランクショーでカスタムオーダーを受注。「ロンハーマンとコラボレーションできてとても光栄だよ」とイヴさん


——二人はジュエリーづくりの技術をどのようにして身につけたんですか。


イヴ:父親だよ。今話したように、彼は多くの才能を持ち、貴金属の加工を含め、常に新しいクリエイションを探求しているからね。彼のスタジオは、僕がジュエリーづくりの可能性を探求し始めた最初の場所さ。


ドワイヤー :私は彫刻家として、すでに完成されたものではなく、最初から自分だけのものをつくりたいといつも考えています。 イヴの父も同じなんです。だから、彼のクリエイションをベースにコレクションを育てていくことは、とても刺激的でした。



ロンハーマンのために二人が手作りした「12星座のホロスコープ」。12月2日(金)からスタートするトランクショーでも実物が展示される


——これまでもいくつか星座をイメージしたリングはありましたが、今回、改めて12星座すべてをデザインした「Core star sign collection」を手がけようと思った理由は。


イヴ:星座のコレクションをもう一度つくろうと思ったのは、それぞれの作品にもっと可能性を追求する余地があると感じたからさ。星座のリングはとてもパーソナルなもので、そのシルエットはパーソナライズのお手本。そこで、すべてのメタルバリエーションでペアリングを作り、もっとも本質的でエレガントな形を表現できたらと思い立ったんだ。



トランクショーで初お目見えする「PRISM」コレクション。パステルカラーの貴石の上質な輝きがデザインに奥ゆきと深みを与える


——クリエイションのインスピレーションはどのようにして得ているのでしょうか?


ドワイヤー :私たちは、あらゆるところからインスピレーションを得ていますよ。イヴとパートナーとして仕事ができることで、常に新しいアイデアを一緒に考えることができます。「Spinelli Kilcollin」のクリエイティブなチームでは仲間にとても恵まれていますしね。彼らのクリエイティビティは、「Spinelli Kilcollin」のすべてに注ぎ込まれているのです。それともう一つの大きなインスピレーションの源泉は何と言っても身につける方ですね。私たちは、チャンスがあればいつでもお客様とコミュニケーションをすることが大好きなんです。お話をうかがい、どのようなデザインにひかれるのか理由を知ることは、とても充実感がありインスピレーションを与えてくれるんですよ。私は、お客様と打ち合わせしたら、すぐにスケッチをすることが多いんです。その瞬間にとてもインスピレーションを受けますから。



「世界にはたくさんのスペシャルな石があり、それぞれが独自の色合いや色彩を持っています。私たちは、これまで使ってきた貴重な宝石とは一線を画し、新鮮なものに飛び込むコレクションをつくりたかったんです。それが『PRISM』コレクションです」とドワイヤーさん


——ジュエリーデザイナーとして大切にしていることは何でしょうか。


ドワイヤー :私たちが築いてきた「Spinelli Kilcollin」というブランドにはとても満足しているんです。毎日美しいジュエリーをつくることができ、お客様が気に入ったジュエリーを見つけたときのうれしそうな笑顔を見ることができるのはとても幸せです。才能にあふれたイノベーティブなスタッフに恵まれ、みんなが楽しそうに働いているチームであることに、とても満足しています。みんなで一緒にデザインについて話し合うことができるのはラッキーなこと。そして、家族を養うことができて、ブランドを超えて私たちが信じている世界にポジティブな影響を与える活動をサポートできることは、充実したことです。「Spinelli Kilcollin」にかかわるコミュニティが元気であることは、私にとってこの上ない幸せなんですよ。


——お客様に「Spinelli Kilcollin」のジュエリーをどのように身につけてほしいですか。


ドワイヤー :自由に楽しんでほしいですね。私たちのデザインは、リンクド・リングの型にはまらずに、スタイリングに多様性と個性を与えることを目的としていますから。イヴが最初に意図したように、4本の指すべてにつけることもできますし、1本の指に重ねてつける方も多くいらっしゃいます。また、2本の指に重ねて着ける方もいますし、その組み合わせはさまざま。片方のリングを真ん中にぶら下げて遊び心を加えたり、片方のリングを指の上に水平につけている方もいます。むしろ、お客様のスタイルから新しい発見をしているんですよ。


——どうも、ありがとうございました。イヴさんとトランクショーでお会いできることを楽しみにしています。



リングとは異なる表情が魅力のネックレスとブレスレット。シンプルかつラグジュアリーなデザインはカジュアルでもフォーマルでもシームレスに楽しめる



Profile
SPINELLI KILCOLLIN(スピネリキルコリン)は2010年にドワイヤー・キルコリンとイヴ・スピネリが創立したロサンゼルス発のファインジュエリーブランド。 ミニマルな幾何学的フォルムをベースに、質感やバランスを大胆にミックスしたギャラクシーリングと呼ばれるデザインが特徴。リングの重なりで構成されるデザインのため、ボリューム感がありながらもモダンな軽やかさを感じられ、他のジュエリーとも合わせやすくなっている。また、1点ずつすべてハンドメイドで仕上げることで、ニュアンスのある独自の風合いを表現している。

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