Journal

Lucky in Love -BAREFOOT DREAMS-

Lucky in Love -BAREFOOT DREAMS-

Ron Herman Journal

Issue 51Posted on Aug 26.2022

ロンハーマンがお客様へお届けするアイテムには、すべて “物語”があります。一つ一つに、デザイナー、つくり手の思いと願いが込められています。それが服やアイテムに宿る魅力の一つとなり、身にまとう者に感動や幸せを与えてくれるのです。ロンハーマンが創業して以来、私たちは多くのデザイナーと時間をともにしてきました。 友人や身内、仲間のように親しく接してきた方も少なくありません。時に、彼女や彼らが、いかに情熱や愛情をものづくりに注いできたか、つまり、人生の物語に耳を傾ける機会もあります。それがたくさんのお客様に愛される理由です。

その代表的なブランドの一つが「BAREFOOT DREAMS」(ベアフット ドリームズ)です。1994年、カリフォルニア、マリブで誕生して以来、ラグジュアリーで着心地が良くソフトな肌ざわりにこだわったブランケット、ローブ、男性用・女性用のラウンジウエア、キッズ・ベビーの商品をつくり続けています。手で触れると、その気持ち良さと暖かさに思わず微笑んでしまい、それはまるでハグをされている様。日本でもロンハーマンが上陸して以来の人気ブランドなので、日本のお客様にもすっかりおなじみでしょう。



ロンハーマン ストア内の「BAREFOOT DREAMS」(ベアフット ドリームズ)のショップインショップ。ふんわりとやさしい空気に包まれている


“Barefoot Dreams is rooted in love, compassion and family.” ——「BAREFOOT DREAMS」は愛、思いやり、そして家族に根ざしています。これは「BAREFOOT DREAMS」が掲げている哲学です。“家族”への深い思い……。これには創業者であるアネット・クックさんの物語がかかわっています。アネットさんは、若くして最愛の両親を亡くしてしまいました。自立する道を探すために、ビジネスを始める必要に迫られたのです。「私は昔から子どもが好きで、安らぎを与えてくれるものが大好きでした。両親の死を悲しんだ後、新しい命の喜び、赤ちゃんの誕生を祝う時がくるだろうと想像しました。そして、最高の出産祝いとして贈られる製品をデザインすることにしました。小さな宝物になるような、赤ちゃんが安心できて快適でシックなベビーブランケットはできないだろうか。そして、『BAREFOOT DREAMS』が誕生したのです。ブランドの名前は両親への敬意から。私の足は地上に立っていますが、両親の思いや記憶は私の夢の中にあります」

両親を亡くして以来辛い思いをしていたアネットさんですが、最愛の夫となるスタンさんとの出会いがその悲しみをいやしてくれました。彼らは二人で「BAREFOOT DREAMS」を育てていくことに。やがて、3人の息子にも恵まれます。アネットさんがずっと夢をみていた家族の誕生です。「私の人生の喜びは、夫のスタンと3人の息子、グレイソン、チェイス、プレストンです。彼らは私に絶え間ないインスピレーションと無限のエネルギーを与えてくれます」。「BAREFOOT DREAMS」が家族の絆を深めていったのです。



ずっと身につけていたくなるような、やわらかな肌ざわり。ウエア、ブランケット、ベビーアイテムなど、多彩なアイテムで暮らしに温かみを与えてくれる


2012年、大きな不幸が訪れます。アネットさんが大腸ガンにより亡くなってしまったのです。「彼女が他界した後の数年間は想像を絶する日々だった。彼女に敬意を払ってブランドと3人の子供を同時に守り育てていく。そして、何よりも日々弱っていくアネットを守り、励ます日々は、僕以外の誰もが知りようがない」と、当時を振り返るスタンさん。ずっと陰でアネットさんを支えてきたスタンさんですが、「BAREFOOT DREAMS」を一人で引き継いでいかなければなりませんでした。

4年間、無我夢中で「BAREFOOT DREAMS」を守り続けてきたスタンさん。「でも、実際は毎日が悲しくて、辛くて本当に苦しかった」。孤独に葛藤を続けてきたスタンさんを救ったのが、現在のパートナーのシェリー・ローズさんです。シェリーさんの一人息子とスタンさんの子どもが、同じ野球チームだったことが縁で知り合いました。

「シェリーに出会うまで、アネットの思い出を胸にしまったまま生きていくのは辛かった。子どもたちは、最愛の母親がいなくなって茫然自失だったけど、少しずつ私も子供たちも元気を取り戻し始めていた。僕自身が父親として男として、明るい笑顔で強く子どもたちを育てていくためにも、必然的に ”New Life”が必要だったんだ。アネットも、それを天国で望んでくれていると信じているよ。私の人生にシェリーが居てくれていることに毎日感謝している」



ロンハーマン ストアの「BAREFOOT DREAMS」のショップインショップには、リサイクルボックスを設置。着なくなってしまった「BAREFOOT DREAMS」のアイテムを回収して、新しい資源に生まれ変わらせる。ボックスを設置していないストアも店頭で回収可能


リサイクル素材をブレンドした新しいサステナブル・コレクション 「Eco Chic」(エコシック)や、着なくなったアイテムを回収するリサイクルボックスを設置するなど、サステナブルなものづくりに真摯に取り組む「BAREFOOT DREAMS」。シェリーさんは「BAREFOOT DREAMS」のコンサルタントとしてウェブ、PR、デザインそしてマーケティングに少なからず影響を与えているとスタンさん。「サステナブルはとても大切。エコシックという素材はもちろんだけど、他にもやっていることがある。例えば、シェリーは不良在庫のジッパーやボタン、ラベルを取り外して、四角に切って端を縫って、ブランケットにするアイデアをくれた。それをアニマルシェルターの動物たちやシェルターにいるホームレスの女性に寄付している。カリフォルニアだって夜は冷えるし、そういうブランケットがあれば、心も体も温かくなるからね」



定番の別注「BAREFOOT DREAMS for Ron Herman」はウィメンズ・メンズともに今シーズンからパターンと素材を刷新し、今着たいモデルへとアップデート。ウィメンズはロングフーディとスタンダードフーディの2型、メンズはジップフーディ1型と新型プルオーバー1型


「本当のサステナビリティというのは、人が夢と希望を持って毎日生きていけることだと思うの。いくらブランドの商品がエコでも、そこに従事する人間が幸せで、元気であることはそれと同様に大切。今私はとってもハッピーなの、毎日が!」とシェリーさんが口にするとスタンさんは目を輝かせた。
「私は本当に誰もいなくても生きていけると思ってた。でも、スタンのそばにいて私が支えてあげたいって思ったの。新しい愛を見つけて、人生の後半戦を思いきり彩りある幸福な時間にすることは、どれほど素晴らしいでしょう。 ”Lucky in Love ”。私たちがこうして、人生の新しい旅の間にお互いに出会い再び愛を見つけることができるなんて。なんという幸運なんでしょう!」と、シェリーさんとスタンさんはお互いに微笑み合います。



この冬に新たに登場する身につける人々が思わず微笑んでしまう別注のホワイトコレクションは、リサイクルからできた新しいサステナブル素材 「Eco Chic」(エコシック)。「BAREFOOT DREAMS」のぬくもりは、つくり手の思いと愛情から生まれる


新しい家族の誕生、そして、新しい人生のスタート。「BAREFOOT DREAMS」の第2章の始まりです。アネットさんの遺志と愛を引き継いで、「BAREFOOT DREAMS」の輝きはこれからも増していくに違いありません。



愛、思いやり、そして家族——創業者アネット・クックさんの思いは、次の担い手にもずっと息づき「BAREFOOT DREAMS」の物語はこれからも続く。ロンハーマンも共に大切に歩んでいきたいという想いがBAREFOOT DREAMS for Ron Hermanには込められている

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