シンプルなデザインが醸し出す、凛とした上質感。オブジェのような存在感と美しさ……。トートバッグとプランターカバーという定番のアイテムにもかかわらず、ラグジュアリーさが漂います。2014年、イタリア・ミラノで誕生したライフタイルブランド「PALOROSA」(パロロサ)です。
「PALOROSA」(パロロサ)の魅力はシンプルなフォルムが生み出す造形美。今シーズンのロンハーマンの別注アイテムはカラーを黒で統一。
サイズ違いで展開するプランターカバーは、アクセサリーケースやトラッシュボックスにも
PALOROSAの無駄がないミニマリズムな造形美。その秘密は、デザイナーのCecilia Pirani(セシリア・ピラーニ)さんのキャリアにあります。セシリアさんはニューヨークで建築家、そしてミラノでランドスケープアーキテクトとして活躍してきました。クリエイションの哲学にかかげているのが「建築とファッションの共存」。見た目の美しさだけでなく、実用性をも両立させることを目指しているのです。
デザイナーのCecilia Pirani(セシリア・ピラーニ)さんはイタリアとグアテマラのハーフ。グアテマラの伝統工芸をリスペクトして、現地にスタジオを構えてものづくりを行なう。
ブランド名は「パロデロサ」とも呼ばれる灰色のバラが咲く中央アメリカ固有の木に由来している
その哲学を実現させているのは、「ディテールへのこだわり」とセシリアさんは考えています。では、PALOROSAを手にしてみましょう。まず驚くのは、しっかりとした頑丈さです。バスケット、いわゆる「かごバッグ」なのですが、軽さという良さを生かしつつ、重いものを入れてもシルエットが崩れるとことはありません。素材にリサイクルプラスチックを使用しているからです。その編み込みの目の細かくて美しいこと。硬くて丈夫なプラスチックをここまで編み込むには、相当な技術が必要とされます。
PALOROSAのすべての素材は、2014年のブランド創立時から環境に配慮してリサイクルプラスチックを使用。耐久性が高いので重たいものを入れてもフォルムが崩れない
PALOROSAのすべてのアイテムは、グアテマラの織り手によって一つ一つが手づくりされているのです。グアテマラはかごバッグの発祥地の一つ。マヤ文明の時代から伝統的な手工芸として、現在まで脈々と引き継がれているのです。グアテマラに自らのルーツを持つセシリアさんは、2012年に初めて故郷を訪れました。そして、その職人たちの高度な技術と情熱に魅了されたのです。この優れたクラフトマンシップを、ファッションの世界で生かすことはできないのか。それがPALOROSAが誕生するきっかけでした。
芸術品のような美しさを感じさせる緻密な手仕事が目を引く。シンプルなデザインはどんなシーンでもシームレスになじむ
セシリアさんがPALOROSAで大切にしているのが、「色」です。「色は素材そのもの。質感、触覚、視覚的な印象を喚起します。色彩は、繊維とその可能な使い方や組み合わせを、デザインと結びつける手助けをしてくれます」。今シーズン、ロンハーマンがPALOROSAに別注したアイテムカラーは黒で統一。光沢のある艶やかな輝きは、実にエレガント。シックなたたずまいで、季節やシーンを選ばずにフィットすることでしょう。
トートバッグは4サイズで展開。バッグとしてはもちろん、アイデア次第でキッチンやバスルームでも活躍する
ミラノという都会的なデザイン、そして、グアテマラのぬくもりを感じる手仕事。モダンと伝統という相反する世界の融合が、唯一無二の存在感を生んでいるのです。ぜひ、PALOROSAの魅力に触れてみてください。