ロンハーマンにとって、“デニム”は特別な存在です。オーセンティックでどんなスタイルにもフィットしながらも、着る人の個性やファッションを引き立てる。創業者ロン・ハーマンもデニムをこよなく愛していますが、とりわけ、お気に入りなのがヴィンテージデニム。時とともに、一本一本が変化し、いろいろな表情が生まれることがその魅力でしょう。
この“ヴィンテージ”が、ロンハーマン デニムのキーワードです。ご存知の通り、ヴィンテージデニムは本数も限られて希少なもの。もっと多くの方に楽しんでもらいたい。そのために、私たちが考えたコンセプトが「ウォッシュ・インスピレーション」。加工と水洗いにより風合いを加え、理想の一本を作り出すのです。“ヴィンテージ”がテーマのロンハーマン デニムは、その時代にもとづいて背景にある物語を想像。手作業の加工によりそれを表現する
年に2回、私たちは自分たちがつくりたいデニムのテーマを決めます。そして、そのデニムが歩んできたであろう背景に思いをめぐらせます。あの時代のデニムはワークウエアだから、ペンキで汚れていたりほつれを直して穿いていただろう。この時代はカウボーイが穿いていたから、こんな筋が入っていただろう……。単なる昔のデニムの復刻やレプリカに留まらない。一本一本が、それぞれの物語を持っているのです。
デニムが好きな方でしたら、「児島」という名前を耳にしたことがあるでしょう。十数年前からジャパニーズ・デニムの聖地として世界から注目を集めている街です。ロンハーマン デニムは、すべてこの児島から生まれます。なぜカリフォルニア発祥のロンハーマンが、児島でデニムをつくるのでしょうか。その理由を探しに、現地へ旅してみましょう。瀬戸内海に面した美しい海の街、児島。岡山・倉敷市の一地域として、昔から縫製業が盛んだった。今では「コジマブランド」として世界に知られるデニムの街に
岡山県倉敷市に位置する児島は、瀬戸内海の穏やかな海に面した風光明媚な街。所々に昔の街並みが残り情緒が漂っています。海の向こうに香川県の街並みが遠望でき、瀬戸大橋がここから本州と四国とを結んでいます。古くから児島で栄えてきた産業の一つが、縫製業でした。寺社の参拝者のために足袋を手がけたのが、そのルーツともいわれています。近代になり、国内有数の学生服、制服の生産地として発展しました。
1960年代半ば、児島の未来を変革する出来事が起こります。この地で国産ジーンズの第一号が誕生したのです。以後、後を追うようにジーンズメーカーが創業して、お互いによきライバルとしてしのぎを削ってきました。そして、今では世界でもトップクラスのデニムづくりの技術が根づき、「コジマ」の名前は国際的に知られるブランドになりました。ミシンの音だけがこだまする縫製工場。ロンハーマン デニムが縫製にこだわるのは、仕上がりの丈夫さはもちろん、穿いていくうちに生まれる美しい風合いを引き出すため。かつては熟練した職人が活躍していたが、ここ児島でも段々とその数は減少している。この工場ではその技術を絶やさないように、次世代の育成にも力を入れている
この街では多くの人々や企業がデニムづくりに携わっています。ですが、ロンハーマンが一緒に物づくりをするパートナーは極わずか。それは私たちが本当に理想とする一本を実現したいからです。デニムづくりは二つの工程に分けられます。まずはジーンズやシャツ、ジャケットの本体を作り出す縫製。そして、それにヴィンテージの風合いを与える加工。このコラボレーションによって、「ウォッシュ・インスピレーション」が完成します。
ですが、工程のほとんどが手作業のため、職人、工場によって差が生まれます。私たちのパートナーは、長年にわたり経験を蓄積し、そのクオリティは児島でも指折りといわれています。縫製の現場では、一つの作業ひと筋に半世紀以上にわたり専心している職人の姿も。私たちが求めるクオリティは決して低いものではありません。ですが、ここで培われて次世代に引き継がれる確かな技術が、それにこたえてくれるのです。ヴィンテージの風合いを生み出す加工と洗いの工程。ここでも職人の手技がカギとなるが、この工場では最先端のレーザー加工マシンを、労働環境の向上のために導入。また、洗い加工で排出された軽石や染料を肥料にアップサイクルするなどサステナブルなデニムづくりにも力を入れている
加工も職人の手技がモノをいう世界です。例えば「ヒゲ」と呼ばれる色落ちした筋は、職人がサンドペーパーを使い「手擦り」でデニムにニュアンスを加えます。一本一本に絶妙な差が生まれることで、ロンハーマン デニムならではのアジになるのです。また、洗い加工では、どうしても色落ち用の軽石や染料の残りが生じます。これを廃棄することなく農業用の肥料にアップサイクルするシステムを導入。環境負荷が少なく人にやさしい服づくり。ロンハーマンと同じフィロソフィーがここにもあります。児島のクラフトマンシップとロンハーマンのフィロソフィーによって生み出されるデニム。そこにはさまざまな人の手と情熱が息づいている
児島のパートナーとともにロンハーマン デニムを生み出す道のりは、決して平坦とは言えません。顔と顔とを突き合わせ、現場に足を運び、お互いにニュアンスのすり合わせをします。納得ができるデニムが完成するまでに何度も試作を重ね、その時間はワンシーズンを超えることも。妥協なきデニムづくりへの情熱とプライド……。それがロンハーマンが、この地でデニムを手がける理由なのです。
さて、私たちのロンハーマン デニムですが、ヴィンテージがキーワードとはいえ、皆さんならではの自分のスタイルで自由に楽しんでいただけたら。そして、時を重ねていき、自分だけの一本を育ていただけたらうれしいです。きっと、そこにはあなただけの物語が綴られているはずです。
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