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SOSA, 2023

SOSA, 2023

Ron Herman Journal

Issue 78Posted on Sep 29.2023
抜けるような青空に映える白い雲、生命力あふれる山々の緑。大地ではソーラパネルが太陽の光に輝き、畑の大豆が葉を茂らせ、ヒマワリの花々が風景に彩り添えています。絵に描いたような2023年の夏の一日、ロンハーマン匝瑳(そうさ)店では、多くの素敵なお客様をお迎えすることができました。いらしたのは「ロンハーマン匝瑳店ツアー」に参加された方々。今シーズン、ロンハーマンと「Stella McCartney」(ステラ マッカートニー)コラボTシャツリリース。それを記念して、Tシャツを購入されたお客様を対象にソーラシェアリングを見学するバスツアーを開催したのです。

千葉県匝瑳(そうさ)市の山中に林立する営農型太陽光発電のソーラーシェアリング施設。無駄のないミニマルなデザインで自然に馴染む

8時、22名の参加者を乗せたバスが東京・千駄ヶ谷店から出発。千葉県匝瑳市までは2時間ほどのドライブ。やがて、窓の外の風景は都会の街並みから水田や里山へ。小高い丘へ向かう坂道を上って行くと、山々の緑に溶け込んだ幾つものーラーパネルの集まりが。初めてソーラシェアリング施設を目にした参加者は、意外や自然と共存している景色に驚いている様子。現地で迎えていただいたのは、「市民エネルギーちば」のスタッフの方々。発電と農業を同時に行い、太陽光をシェアするというソーラシェアリングの仕組みを手がけた日本の先駆けです。2021年、ロンハーマンは「市民エネルギーちば」の力を借りて第1号機を稼働。「2030年までにロンハーマン事業のCO2排出量実質ゼロ」を目指して、今では施設3号機まで増えました。


「ロンハーマン匝瑳店ツアー」に参加した22名とスタッフの面々。初対面の方が多い中、不思議と一体感が生まれていた

到着後、まずはテントがつくる涼やかな日陰へ。私たちから参加者の皆さんへ「今回のツアーを通じて、ロンハーマンの前向きなエネルギーを受け取っていただければ」とあいさつを。そして、「ステラ マッカートニー」によるエシカル講座を開催。創業者でデザイナーのステラ・マッカトニーはベジタリアンで動物愛護者。2001年の創業時よりレザー、ファー、フェザーなど動物由来の素材は不使用と、早くからサステナブルでエシカルな服づくりに取り組んでました。今回のコラボTシャツも、「climate optimist」という「地球の気候変動について積極的に向き合おう」という前向きなメッセージとロンハーマンのスローガン「Love for Tomorrow」をハート型の地球で描いたプリントをオン。使用されているのは環境再生型農業栽培されたリジェネラティブコットン。講座では、未来志向の農法についてわかりやすくレクチャーされました。


リフトに乗って上からソーラーパネルを展望。発電効率が高いパネルを使用することで面積を抑えて、畑の作物に十分な日光を与えているのが見て取れる


夏の青空のもとテントの日陰で「ステラ マッカートニー」によるエシカル講座が開催された。参加者からの質問も活発で有意義な時間を過ごした

不耕起栽培の緑肥として育てているヒマワリを、ツアー参加者にお裾分けしてくれることに。さんさんと輝く太陽の光を享受した花の美しさは格別

 

続いてソーラパネルの敷地へ移動して、「市民エネルギーちば」からソーラーシェアリングについての解説が。2014年に耕作放棄地であったこの地で、第1号の施設スタート。売電の利益は地元へも還元。不耕起栽培による有機農業により土地豊かに。地場業としての地域の雇用も多くなる。リソースを多くの人たちがシェアできる仕組みに、多くの参加者がうなずいていました。そして、ロンハーマン1号機畑へ。そこで待っていたのは、ソーラパネルの下で、真夏の太陽の光を浴びて元気いっぱいに咲くヒマワリ。参加者はお気に入りの花々を摘み取ってオリジナルブーケにして満足顔。ですが、担当者は「もっとお好きなだけ、お持ちください」と笑顔でうながします。「土壌を回復させるために、収穫しないヒマワリはそのまま土に戻して緑肥してしまうので」という言葉になるほどと納得。


ランチは神奈川県茅ケ崎市で無農薬・無化学肥料・不耕起栽培を実践している「八一農園」のビーガンランチプレート。ソーラーシェアリングの畑で収穫した大豆を原材料としたアイスクリームがデザートに

ランチタイム大地の恵みいっぱいの野菜をふんだんに使ったビーガンランチプレートに舌鼓。そして、海外から帰国したばかりの「市民エネルギーちば」代表の東光弘さんが急きょ駆けつけて、みんなで感想を述べ合うことに。言葉を交わすうちに、デザイナー、パーソナルトレーナー、フォトグラファー、ジャーナリスト、自営業、会社員とさまざまな方が参加されていることに皆がびっくり。しかし、ファッション、サステナビリティと同じ世界に興味があることで、肩書きを超えて距離感は縮まりました。「ファッションもソーラシェアリングも自分が自分らしく生きていくためのツール」とう東さんの言葉に大きくうなずいていました。私たちは、このツアーを通してとてもうれしかったことがあります。それは参加者の皆さんがずっと笑顔を絶やさずに、本当に自然な良い表情をされていたことです。この数年、私たちはさまざまなサステナブルことチャレンジしてきました。このツアーは、その取り組みに対するお客様の反応を直に目にできる貴重な機会になりました。私たちにとって、明日につながる一日です。「ロンハーマン匝瑳店ツアー」を再び開催できましたら幸いです。ロンハーマン匝瑳店はいつでも皆様をお待ちしています。


ランチタイムの後は「市民エネルギーちば」代表の東光弘さんの話に耳を傾けた。「今回のツアーで話をさせてもらって、『自分たちの活動の意義を伝え続けなければ」というモチベーションになりました。ありがとうございました」と東さん

 








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