人目に触れず手つかずで眠っていたアイテムが、時を経ることでさらに魅力が増す「デッドストック」。経年変化を楽しむ「ヴィンテージ」とは異なり、当時のつくり手の思いやクリエイションが、時間を超えて今の時代によみがえります。貴重なデッドストックは宝物のような心ときめく存在。出合うことができるのは、とてもラッキーなこと。私たちは今回、そんな幸運に恵まれたのです。
1990 年代~2000 年代のデッドストックファブリックを使用したバッグコレクション「Dead Stock Fabric Bag Collection」。ロサンゼルスで軍支給品を生産していた工場が閉鎖となった際に、ロールの状態で発見されたことでプロジェクトがスタート
「1990年代のデッドストックのゴアテックスのファブリックが見つかった」。ロサンゼルスのスタッフから連絡を受けた時の、私たちの驚きと高揚感といったら。しかも、MIL-SPEC（ミルスペック）に対応したファブリック！ MIL-SPECとは、アメリカ軍が物資の調達にあたり決めている厳しい規格です。衣服やシューズ、腕時計など幅広いアイテムにわたりますが、どれも北極や南極、砂漠や熱帯雨林など過酷な気候でも、100％の性能を発揮することが求められています。とにかくタフでハイスペック。その時代でもっともハイクオリティなアイテムといっても過言ではありません。
ファブリックはウッドランドカモのゴアテックスとネイビーのリップストプの2種類。過去にアメリカ軍で製作されていたバッグをベースにモディファイし、
デイリーに使えるアイテムへと昇華させた
今回見つかったゴアテックスのデザインパターンは、現在では生産されていないウッドランドカモととても希少性が高いもの。さらにアメリカ軍に採用されていた、BDU（Battle Dress Uniform（バトル・ドレス・ユニフォーム）で使用されるリップストップのネイビーのファブリックも発見。こちらも当時、数年しか生産されなかった貴重なものです。
シーンを選ばずに活躍するエフェクツバッグ。スタイリングのアクセントにもよし
ハイブランドもこぞってミリタリーのエッセンスをコレクションに取り入れて、今やミリタリールックは定番ジャンルに。とりわけ1990年代から2000年代のアイテムは、ここ数年で高い人気を呼んでいます。この宝物をどのように生まれ返らせようか。私たちが思いついた答えが、バッグコレクション「Dead Stock Fabric Bag Collection」でした。防水性・耐久性も高く軽量と、どちらもバッグにはベストなファブリック。重い荷物を運んでも、ラフに使用してもへこたれることがなく長年愛用ができます。
ロサンゼルスのミリタリーアイテム専門のファクトリーに特別オーダー。ドローコードなどの細部にもミルスペックとしてのこだわりを。
デザインのポイントとなっているネームタグもロンハーマンオリジナル
もちろん、現在の最先端のファブリックと比べるとスペックは劣ります。ですが、1990年代ならではのアメリカらしい息吹、良い意味でのラフさを、現代においては魅力として楽しむことができるのです。まさにデッドストックならでは。当時の風合いを大切にするために、ロサンゼルスをベースとして軍支給品を受注するファクトリーで生産。ディテールにもこだわり、ロンハーマンだけのオリジナルなバッグに仕上がりました。さて、次の宝物はいつ発見できるのか。そして、どのようによみがえらせようか。考えるだけで、ワクワク感がとまりません。ぜひ、皆さんも楽しみにお待ちください。
