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Supervisor

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Ron Herman Journal

Issue 71Posted on Jun 30.2023

「ロンハーマンは、ストアによって雰囲気が異なりますね」。お客様がこのように口にされることは少なくありません。ストアのインテリアやアイテムのラインナップ、店内のBGMや香りなど、どの店舗もほぼ同じなのになぜでしょうか。もしかしたら、その違いはストアの「スタッフ」が生み出しているのかもしれません。


「スーパーバイザー」はロンハーマンのストアのスペシャリスト。スタッフにお客様へのおもてなしの模範を示したり、良好なチームワークをつくるなど、大切な役目を担う

 

私たちがお客様をストアにお迎えする際に心がけているのは、「接客」するのではなく「接遇」すること。ただ商品を販売するのではなくて、心地よくリラックスした空間、そこにいる時間そのものを、心から楽しんでいただきたい。そして、スタッフとのコミュニケーションも。お名前をうかがい親しくなったお客様とは、ファッションについてだけではなく、趣味や家族のことなどさまざまなお話をさせていただいています。

ストアにより雰囲気が異なる理由の一つは、スーパーバイザー一人ひとりの個性。現在、全国で女性9名、男性5名が活躍している

 

「ファッションはライフスタイルそのものだ」とは、創業者ロン・ハーマンの哲学です。お客様の「ライフスタイル」を知ることで、その方の好みや着こなしに合った服を提案できると考えています(とはいえ、私たちもお客様とのお話を楽しませていただいているのですが)。ですから、ロンハーマンには、画一的な「接客マニュアル」は存在しません。なぜなら、同じお客様は二人としていないからです。

「ARIGATOUGOZAIMASU」。二子玉川店内の柱にプリントされた創業者ロン・ハーマンの言葉。スーパーバイザーが伝えるべき思いの根源がここにある

 

お客様への応対は、ベースとなるルールはありますが、個々のスタッフに自由に任されています。その根底にあるのはロン・ハーマンが創業から大切にしてきた思い。「すべてのお客様に心地よく買い物を楽しんでもらいたい。お客様の想像力をかき立てる心地よい刺激を与えたい」。このロンハーマンの「DNA」ともいえる理念を、新しい仲間に伝え、スタッフに見つめ直させるのが「スーパーバイザー」です。

ストアのリーダーでもあり裏方でもあるスーパーバイザー。「自分のアドバイスでスタッフが顧客様にお手紙を出したことがきっかけで、その方と親しくなっているのを目の当たりにした時など、やりがいを感じますね」

 

スーパーバイザーは、長年にわたり多くのお客様から信頼いただいてきたストアのスペシャリスト。お客様との接し方はもちろん、あいさつ、おじぎ、お手紙の書き方など細かいことを、ストアスタッフはその背中を見て身につけていきます。現在、スーパーバイザーは全国に14名。その「接遇」のスタイルもそれぞれ。人の個性が新しい個性を育み、それぞれのストアの個性をつくり出しているのです。

「お客様がいてこそ、お店は息をして活力が生まれて成長していく場所なんだなと常に感じています。たくさんのお客様とつながって、その輪を広げていければ」

 

「スタッフの良い雰囲気は必ずお客様に伝わります」と、スーパーバイザーの一人。スタッフがわきあいあいと働いていることで、お客様も心地よく買い物を楽しむことができる。「思いやり」と「気づかい」による「チームワーク」づくりもスーパーバイザーの大切な仕事の一つ。とはいえ、壁にぶつかることも。その際は「何のためにロンハーマンで働いているかを自分自身に問いかけます」と、別のスーパーバイザー。「答えはいつも同じで『好きだから』のひと言に尽きます。ロンハーマンが好きで、ファッションが好きで、お客様が好きで、働いているみんなのことが好きだから」。このような思いがストアのスタッフ一人ひとりに浸透していくのです。

「お客様が、いつも最高に楽しく過ごせる場所であるように、日々、お店とともに自分たちの心も磨いていきます」。スーパーバイザーにより、ロン・ハーマンの思いは明日に引き継がれていく

 

そんなストアのスペシャリストたちが、忘れられないという出来事があります。「二子玉川店がリニューアルオープンした時に、ロンさんがお客様一人ひとりに何時間もかけて風船を手渡していました。『アリガトウゴザイマス』という感謝の言葉とともに、ずっと笑顔で。お客様はもちろん、スタッフにも感謝できる、こういう人になりたいなと思いました」。まさに背中で自分の思いを伝えるスーパーバイザーの姿そのものです。このロンハーマンのDNAを絶やさず新しい仲間に伝えていく。そして、そのDNAをカタチにして、お客様にもっとハッピーで楽しい経験をしていただきたい……。そのような思いで、私たちは今日も歩み続けています。

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