Journal

ZIPAIR×Ron Herman

ZIPAIR×Ron Herman

Ron Herman Journal

Issue 69Posted on May 29.2023

純白に輝く真新しい飛行機。夕暮れの光に照らされながら大空へ。太平洋を超えて、朝日を浴びながらハワイの地に。機体にはロンハーマンのロゴと「Love for Tomorrow」のメッセージが。この夏、ロンハーマンと「ZIPAIR」とのコラボレーションフライトが成田空港とホノルル空港を結んでいます。



成田国際空港の格納庫でマスコミ関係者にお披露目されたコラボレーション特別塗装機。成田-ホノルル線でサマーダイヤが終わる2023年10月28日(土)まで運航される。「ZIPAIR」の西田真吾社長(右)とロンハーマンのCEO三根弘毅が会見に臨んだ


なぜ私たちがエアラインとコラボレーションをしたのか。それは「Love for Tomorrow」に託した思いのもとに、お互いが共鳴できたからです。この言葉は、ロンハーマンが2021年に掲げたサステナビリティヴィジョンのスローガン。「愛をもって行動することは、明日の美しさ、未来を守ることにつながる」という思いが込められています。この言葉を信じて、私たちはファッションだけにとどまらず自然エネルギーのソーラーシェアリングなどにも取り組み、2030年までに自分たちの事業のカーボンニュートラルの実現を目指しています。



「お互いに大切にする持続可能な社会に向けた思いや取り組みに共鳴し、コラボレーションが本当に実現することになり感謝しております。これからも地球を冷ましてお客様の心が熱くなるようなことを、一緒にやっていきたいと思います」と抱負を語る三根


「ZIPAIR」は2020年に運航開始した日本でもっとも新しいエアラインですが、これまでにない際立った個性で注目を集めています。「NEW BASIC AIRLINE」を目標に掲げて、フルサービスキャリアでもローコストキャリアでもないエアラインを目指しています。「我々のやり方が新しい基準になるようにしたい。我々が飛ばしたい航空会社をつくりたかった」と代表取締役社長の西田真吾さんは語ります。新しい時代にふさわしい人々に愛されるエアラインとは。その答えの一つがサステナブルな社会実現に向けての積極的な取り組みです。機内食は環境負荷の低い食材を使用、食品ロスを削減するために機内食の事前予約制を導入、再生プラスチックの活用などを行っています。



今回のコラボレーションフライトはカーボンニュートラルを実現。再生可能な資源から生産される航空燃料を使用、排出する二酸化炭素と同量を吸収する活動へ協賛することでCO2排出量が実質ゼロに。通年、路線単位でカーボンニュートラルを実現するのは世界初


異なる業種のロンハーマンと「ZIPAIR」の接点となったのが「ハワイ」です。今年ワイキキ店をオープンしたことを機に、私たちはハワイが抱える環境問題に向き合うようになりました。「ZIPAIR」もハワイ州が掲げている「マラマハワイ」(レスポンジブル・ツーリズム=責任ある観光のスローガン)に賛同して、自然環境を守る活動に積極的に取り組んでいます。ハワイの「明日の美しさ、未来を守るために」という思いがぴたりと重なったのです。「こういう取り組みをしている仲間がすぐそばにいた、うれしいな、と。『一緒に何かやりましょう』というのがきっかけでした」と西田さん。



コラボレーションフライトを担うのは「ZIPAIR」初の新造機ボーイング787-8。3月にお目見えしたばかりでボディは輝き、シートも真新しい


今回のコラボレーションフライトが画期的なのは、通年を通し路線単位で二酸化炭素の排出量が実質ゼロのカーボンニュートラルフライトを実現したことです。これは日本ではもちろん世界初の試みです。飛行機の利用者が地球の環境のためにカーボンニュートラルフライトを選択することが可能に。また、今まで環境問題を意識していなかった方が目を向けるきっかけにも。まさしく新しい時代にふさわしく人々に愛される「NEW BASIC AIRLINE」の姿ではないでしょうか。また、ロンハーマンは環境に配慮した素材を使用したオリジナルアイテムを機内で展開。ワクワクした気持ちとともにサステナブルな製品を手に取っていただくことで、自然環境への気づきや環境問題へのアクションにつながるきっかけづくりを目指します。



「これからロンハーマンさんとともに、ハワイで環境活動をしている皆さんをサポートしたり、その仲間に加えていただけたらと考えています」と西田社長


西田さんは今回のプロジェクトの意義をこのように語ります。「SDGsあるいは地球環境に関する取り組みは、多くの企業が個々でやっている側面が強いと思います。そうやって一人一人がやっている活動を、お互いに認め合って『そういう活動をされているのであれば、私が手伝えるところがありますよ。一緒にできることがありますよ』という輪が広がっていくところにとても意味が生まれました」。



フライトではロンハーマンが手がけたオリジナルアイテムを限定販売。環境に配慮したオーガニックコットン製ビーチバッグやハンドタオル、環境問題改善に向けた活動につながる「MiiR」のボトルを展開


私たちにとってエアラインとのコラボレーションの試みは初めて。2022年の夏から取り組んできましたが、とても刺激的でワクワクする経験になりました。ジャンルを超えて、企業を超えて、人と人として、同じ思いを抱きつながることができました。まだロンハーマンと「ZIPAIR」の「Love for Tomorrow」のフライトは始まったばかり。今後も明日の美しさと未来を守るために手を携えていきます。一人でも多くの人に、カーボンニュートラルフライトという選択肢があることをお伝えできますように。今日もさまざまな人々の思いを乗せて、コラボレーション機が飛び立っていきます。



コラボレーション機の出発をにこやかに見送る西田社長。「業務提携というと一生懸命やらんがために目が三角になりがちです。我々は持続可能な社会をつくろう、未来を明るくしよう、という取り組みですので、肩の力を抜いてワクワクしながらアプローチができました」

 

Latest Issue

Back to Index